浮気相手に対する慰謝料請求

浮気相手に対する慰謝料請求の背景

 

浮気相手に請求する慰謝料の背景を説明します。

婚姻に関する事柄に関しては、主に民法の規程を用いますので、サイトのなかにも法律の条文や法律用語が出てまりますが、できるだけわかりやすくご説明いたしますので、お付き合いのほどお願いいたします。

一般に結婚した後は夫婦が互いに貞操義務を負うと理解されています。つまり、夫は妻以外と、妻は夫以外の人と性交渉を持ってはならないという義務です。実際には民法のなかに貞操義務という言葉や、それについて定める条文はありません。

ただ第770条で定める離婚事由(正確には離婚の訴えを提起できる事由)のなかに、配偶者の不貞行為があることや、732条で重婚を禁じていることから、夫婦は互いに貞操義務を負うと解されているのです。

浮気という行為はこの貞操義務に違反する行為です。

ここまではよろしいでしょうか?

 

浮気相手の不法行為を証明するには?

 

次は浮気相手の行為です。

浮気相手は配偶者の貞操義務違反に加担して、あなたの権利を侵害したことになります。民法ではこのような行為を不法行為と規定し、権利を侵害された人は慰謝料を請求できるのです。

しかし、事は簡単ではありません。

不法行為について民法709条は次のように規定しています。

「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」

不法行為が成立するためには加害者に「故意又は過失」があることが要件となっています。この故意・過失は、原告側が立証しなければなりません。つまり慰謝料を請求するあなたの側が故意・過失があったことを証明しなければならないのです。

 

「過失」とは、

「起こるかもしれない」ということが分かりうることについて、その結果を回避する義務があったのに、義務に反して回避しなかったことを意味します。

 

具体的なケースにあてはめて考える

概念だけではわかりにくかもしれませんので、「浮気」にあてはめて考えてみましょう。

浮気相手はあなたの夫(妻)が結婚している事を知っていながら、あるいは、知りうる状況でありながら、あなたの夫と不倫関係を続けた。

浮気相手があなたとあなたの旦那(妻)が結婚していることを知っていた、または知ることができる状況にあったことを、あなたが証明できる場合に慰謝料の請求が認められる、ということです。

例えば、浮気相手が周囲の人達(同僚や友達など)から既婚者であることを聞かされていた場合はどうでしょう?

—— この場合は、いくら相手があなたのパートナーの「独身だ」という言葉を信じて交際していたとしても慰謝料の請求は可能でしょう。この場合は故意はありませんが「過失」があることを証明できる可能性は高いわけです。

 

しかし、浮気相手とあなたに共通する友人や、二人を関連付ける関係がない場合には過失を証明することは難しくなります。「今は独身」という言葉を浮気相手が信じていて、その真偽を確かめる術がなかった場合は…ということです。交際相手の戸籍を調べるなんて一般的なことではありませんよね。

 

例えば、旦那さんが飲み屋の女性と不倫関係になってしまった場合。

旦那さんが会社の同僚と一緒にお店に行っていたのであれば、浮気の相手が結婚の事実を知る可能性はありますが、旦那さんが一人だけで行っていたのであればその可能性は低くなります。この場合、浮気相手の過失を証明するのは困難です。

逆に奥さんがカルチャースクールなどに通っていて他の男性と関係を持ってしまった場合。奥さんがお友達と一緒に行っていたならば「結婚している」事実を相手の男性が知る可能性はあるでしょう。しかし奥様が単独で通っていた場合には、相手が奥様が結婚していることを知る可能性は低いと言えるでしょう。

 

これまでは慰謝料を請求できる条件について説明してまいりました。

次のページでは「慰謝料の相場」について説明します。

このエントリーを含むはてなブックマーク Buzzurlにブックマーク livedoorクリップ Yahoo!ブックマークに登録

トラックバック&コメント

この投稿のトラックバックURL:

コメントをどうぞ

このページの先頭へ